2013年1月17日木曜日

台北での賃貸物件探し(3)

台北で賃貸物件を探す際、頭に入れておいた方がいいポイントを書いてみました。参考にしてみてください。



1)坪数の考え方が違う

日本で「坪数」と言うと、実際の居住スペースを指すが、台湾では、実際の居住スペースに各部屋が所有している公共(共有)スペースを足したものを指す。例えば、物件情報では「50坪」と表示されていても、この数字には公共スペース(例えば20坪)も含まれているため、実際の居住スペースは30坪しかないことになる。公共スペースに公園やプールなどがあれば、この公共スペースの占める割合が大きくなるので、逆に、実際に住める居住スペースが狭くなるという訳である。

(ちなみに、台湾では、不動産を購入する際は、フロントやエレベーターホールなどの共有スペースも購入価格に含まれている)

よって、物件を閲覧する際は、必ず不動産会社には居住スペースを確認する必要がある。


2)賃貸専用物件が少ない

日本であれば、分譲物件ではなく、賃貸専用物件(つまり、分譲ではなく、投資物件として、賃貸専用に建てられたアパート)も多く見受けられ、比較的、賃貸物件を探すことは簡単だが、台湾では、ビジネスニーズがあまりないのか、賃貸専用物件が非常に少ないと思われる。よって、必然的に、仲介業者を通じて、分譲物件をオーナーから借りることになると思われるが、台湾では人に貸すために不動産を買うのではなく、自己使用を目的とした不動産購入が主と思われるため、必然的に市場に出回るアパートは大きい坪数(例えば、100坪など)の物件がやたら多い。よって、多くの日系企業駐在員の方は、中規模(20−40坪程度)の物件を探す傾向が高いが、なかなかこのような物件がないのが現状だと思われる。また、万が一このような物件を探すことができても、元々、分譲物件のため、オーナーの好みで内装された物件が多く、意外と台湾風デザイン(つまり、ダサい)が多い。よって、モダーンでシンプルなデザインを好む日本人に合った物件を探すのが何かと大変なのが現実である。


3)寺に隣接したアパートには気をつけよう

台湾では、街の至る所で寺があるため、アパートの隣りに寺があることも不思議ではない。この場合、心理的な理由で寺に隣接するアパートを避ける人もいるかもしれないが、寺では定期的にイベントがあるようで、いきなり寝ていると、音楽がガンガン流れてきたり、爆竹が鳴り響くことがたまにある。寺に隣接したアパートを借りる場合は、このような騒音のリスクがあることは考慮に入れておく必要があると思う。


4)オーナーがテレビや家具を買ってくれる場合がある

オーナーによっては、賃貸契約時、テレビや家具を借主に買ってくれるという人もいるようである。日本では考えられないことであるが、台北の賃貸オーナーは、このような人が比較的多いような気がする。


5)ゴミ回収車の回収時間をチェックした方がいい

台北では暑い気候のせいでゴミが腐りやすいせいか、日本のように、ゴミ回収車が外に置いてあるゴミを勝ってに回収するシステムではなく、ゴミ回収車が来たら、逆に、自らがゴミバケツを回収車まで運んで、ゴミを捨てるシステムになっている。この回収合図として、ゴミ回収車から大騒音の音楽が流れてくるのであるが、この音がやたらとうるさい場合がある。また、日中に回収してくれればいいのだが、日中に家にいない人が多いため、通常は夜中の回収となる。住んでいる場所によっては、この大騒音で夜中に起こされる場合があるので、騒音が嫌いな人は、賃貸契約をする前に、回収時間を確認した方がいい。

ただし、ある程度の高級賃貸物件であれば、建物内に物件専用の公共のゴミ捨て場(地下冷蔵庫があるところもある)があるが、その物件周囲に住む住民は、この回収車を利用するのが普通であるため、自分のところに専用ゴミ捨て場があるからと言って、安心してはいけない。


6)火災保険は確認した方がいい

賃貸契約をする際、(1)その物件に火災保険が掛けられているのかどうか、(2)その保険内容について、オーナーに事前確認した方がいい。私は保険の専門家ではないので詳細は知らないが、もしオーナーが火災保険に入っていない場合は特に気をつけた方がいいらしい。つまり、もしオーナーが火災保険に入っていなくて、オーナーの代わりに借主が賃貸物件の火災保険に加入した場合、台湾の変な法律があるらしいので気をつけた方がいいとのこと。この場合、プラス、もし火災が発生した場合、この台湾の変な法律のせいで、保険会社は保険代を支払った借主ではなく、オーナーに保険金を支払うらしい。更に変なことに、保険会社はその損害を保険を掛けた借主に請求するらしい(つまり、折角保険を掛けてやったのに、逆に損をしてしまう法律の盲点があるらしい)。

詳細については、現地の三井住友海上保険などに確認した方がいいと思うが、もしオーナーが火災保険に加入していない場合は、オーナーの代わりに、自分がその賃貸物件に対し保険を掛けるのではなく、あくまでも自己プロテクトのため、(1)近所からの火災等から自分を守る「公共意外責任保険」、(2)賃貸物件を燃やした場合など、オーナーに対し賠償してくれる「承祖人火災法律責任保険」、あとは(3)自己の所有物に対して賠償してくれる保険に加入した方がいいらしい。

現地不動産仲介担当者もオーナーも、この保険についてはあまり知らない人が多いため、賃貸契約をする際はオーナーに確認し、必要な手続きを行った方がいいと思う。



7)交渉は当たり前

台湾では、家賃交渉をすることは当たり前のようです。家賃のみを交渉する人も入れば、家賃、管理費、駐車場代を合算して、総額で交渉する人もいるようです。

また、上記2)と関連する話になりますが、ここ最近の台湾は不動産バブルだったようで、最近不動産を購入したオーナーはバブルの影響で、今の市場価格よりも高い価格で不動産を購入している傾向があります。従って、オーナーがローンを借りている場合、多くのオーナーは毎月のローン支払額より高く貸し出したいため、なかなか値引に応じない人もいるようです。ただし、借主側からすると、「この品質でこの価格は高すぎる」と感じる方も多いようで、このような市場相場と設定家賃に差がある物件はなかなか借り手が見つからないのが現状のような気がします。


8)家賃には、個人価格と法人価格がある

台湾では、個人で借りた場合と法人で借りた場合とでは家賃が違う。法人契約で借りた方が個人で借りるより10%高いのである。理由は、領収書である。原則、家主は、個人借主であろうが、法人借主であろうが、家賃の10%を源泉徴収という形で毎月、国に納入する義務があるのだが、法人相手だと必ず領収書を発行する必要があり、納税から逃れられないため、本来の家賃に10%を上乗せして、法人客のみに請求するのである(つまり、法人相手だと、否応無しに領収書を発行する必要があるが、個人相手だと、領収書を必要としない個人借主が多いため、このような裏の手を使うようだ)。

本来であれば、家賃の10%を納税すべきだろうが、家主としては損をしたくないため、領収書を必要とする法人相手には、家賃に10%をプラスして家賃を請求するようだ。

ただし、台湾政府も既にこのような実態を把握しており、今年から、法律が改正されるような話も聞こえてくる。



(注意)

  • 個人的な主観からのコメントもあるため、予め了承ください。
  • 正しい情報については、直接、関係各所に確認してください。
  • 情報の相違に起因する損害につきましては責任を負いかねますので、予め了承下さい。当情報については、あくまでも参考レベルで活用ください。




台北での賃貸物件探し(2)

台北に赴任が決定したものの、どうやって異国の地で賃貸物件を探してよいのか迷われている方も多いと思います。

多くの方は、まずは日本でインターネットを通じ現地不動産会社を探し、そこから頼りになりそうな不動産会社を見つけ、現地に赴任後、担当者と接触されていると思いますが、一部台湾現地の人は、下記ウェブサイトにアクセスし、そこから気に入った物件を探して、記載されている不動産会社に接触し、物件を探しているようです。

中には日本語もできる担当者もいるようです。




なお、参考までに、「出祖」は賃貸の意味です。「祖金」は賃貸(家賃)金額。「用途」内の「整層住宅」は日本で言うマンションのことです。また「刊登時間」は「掲載時期」の意味です。

比較的新しい物件については、家賃が安くても、逆に「管理費」が高い物件があります。また、物件の中には、管理費+駐車場代も含めた家賃を提示している物件もあるようですので、詳細については、不動産会社の担当者に確認してください。個人的な感覚ではありますが、古い物件ほど、込み込み物件が多いような気がします。

また、家主が複数の不動産会社に仲介を委託している場合、複数の不動産会社が、このウェブサイトに同じ物件を掲載しているケースもあるようです。同じ物件でも、不動産会社によって家賃が異なるケースもあるようですから、注意して見てみてください。



(注意)

  • 個人的な主観からのコメントもあるため、予め了承ください。
  • 正しい情報については、直接、各不動産会社に確認してください。
  • 情報の相違に起因する損害につきましては責任を負いかねますので、予め了承下さい。当情報については、あくまでも参考レベルで活用ください。




台北での賃貸物件探し(1)

台北に引っ越しするにあたり、2−3週間、まずは何処かのホテルやサービスアパートメントなどに仮住まいをし、そこを拠点に、本格的な賃貸物件を探すことになると思います。

私の知る限りでは、以下のようなサービスアパートメントがありますので、参考にしてみてください。その他小規模のサービスアパートメントもあるようですが、日系企業の方が利用されているのは、下記物件が主と思われます。



1.Jasper Villa Xinyi(ジャスパー・ビラ信義)

  • 台北のサービスアパートメント中で、最もハイグレードクラス。
  • 欧米系、香港系ビジネスマンが多く住んでいる。
  • 台北101付近。
  • Regent Taiwanが運営管理を担当。
  • 周囲にはコンビニやスーパー、地下鉄の駅がないため、車がないと生活的に不便かもしれない。
  • 最寄り地下鉄駅は、南港線「市政府」駅(但し、徒歩圏内ではない)。
  • 屋内にはプールやジムあり。
  • 外観は新しいが、部屋に設置されている家電は安っぽい。
  • 英語可能。日本語不可。
  • 短期物件というよりは、中長期物件。

2.Jasper Villa TianMu(ジャスパー・ビラ天母)
  • ロケーション的には、日本人学校やアメリカンスクール付近。
  • ロケーションのイメージとしては、東京・広尾のようなエリア。
  • 最寄りMRTは、淡水線「芝山」駅(但し、徒歩圏内ではない)。
  • 現在は、韓国からの駐在員ファミリーが多いと聞いている。
  • 屋内にはプールやジムがあり、隣接するビルには、スーパーや本屋があるので、生活には便利。
  • 近くにMRT駅はないが、隣接するデパートから最寄りMRT駅までの定期シャトルバスあり(15分間隔)
  • 外観は古いが、ハイグレードレベル。
  • 英語可能。日本語不可。
  • 短期物件というよりは、中長期物件。

3.Gloria Residence(グロリア・レジデンス)
  • 現地プリンスホテルが経営するサービスアパートメント(グロリア・プリンスホテル隣り)。
  • ハイグレード。
  • 俗にいう「日本人街」エリア。
  • 最寄りMRTは、淡水線「双連」駅(徒歩10分程度)。
  • 日本的ホスピタリティーが特徴。
  • ロケーション的にナイトクラブが多いエリアであるが、スーパーや薬局、コンビニは徒歩圏内にあり。
  • 10分も歩けば、中山エリアの中心地がある。新光三越デパートなどがある。
  • 屋内プールあり。
  • 日系企業の利用が多い。
  • 松山空港から近い。
  • 短期間での利用が可能。

4.I Staytion(アイ・ステーション)

  • 台北駅など、数カ所でサービスアパートメントを展開。
  • ミドルクラスではあるが、比較的新しい物件が多い。
  • 多くの日系駐在員が利用している。
  • 短期間での利用が可能。

5.基泰サービスアパートメント(キータイ・サービスアパートメント)

  • 信義エリアの物件は、MRT文湖線六張犁駅からは徒歩1分。
  • 簡単な日本語は対応可能。
  • ヨーロッパ系ビジネスマンの利用も多い。
  • 信義エリアの物件は、徒歩10分程度で、シャングリラホテルまで歩いて行ける距離。シャングリラホテル周辺には、いいレストランや居酒屋があり、単身赴任者には便利かもしれない。


(注意)

  • 個人的な主観からのコメントもあるため、予め了承ください。
  • 正しい情報については、直接、各サービスアパートメントに確認してください。
  • 情報の相違に起因する損害につきましては責任を負いかねますので、予め了承下さい。当情報については、あくまでも参考レベルで活用ください。